古物商許可を取得すると古物営業ができるようになりますが、それと同時に様々な義務が発生します。
その中の一つで非常に重要な義務が相手方の本人確認です。
この義務がどういったものであるかと具体的な確認方法について解説します。
相手方の本人確認義務
古物商は、古物を買い受けるとき(正確には古物の買取り、交換、販売・交換の委託を受けるとき)に、取引の相手方の住所、氏名、職業、年齢を確認する必要があります。
※古物を販売する際には本人確認の必要はありません。
本人確認が不要となる例外
1回の買い取り総額が1万円以下の場合には不必要となります。
ただし、換金目的の窃盗や万引きが多い以下の物品については買い取り総額が1万円未満の場合でも相手方の確認が必要です。
- ゲームソフト
- 映画、音楽を記録したCD、DVD、Blu-ray Discなど
- 書籍
- 自動二輪車、原動機付自転車
また、過去に自身が販売した相手から買い取る場合も本人確認は不要です。
自身が販売した物品である事から、盗品である可能性は極めて低い為。
具体的な本人確認の方法
本人確認としてどういった方法が認められるかは古物営業法施行規則第15条で細かく規定されています。
ただし、実務上で行うには非現実的なものも規定されているため、ここでは実際に古物営業を行う上で有用で、一般的によく行われている確認方法のみを取り上げます。
対面取引での本人確認
- 身分証明書(運転免許証や健康保険証など)の提示を受け、住所、氏名、職業及び年齢を確認する。
- 目前で、住所、氏名、職業及び年齢が記載された書面などに署名して貰う。
ポイント
確認のポイントとしては住所、氏名等だけではなく、職業も確認する必要があることです。
この際、申告された職業が真実であるかを確認する為に、勤め先なども確認するようにしてください。
また、②の場合で自身の住所等を記入する際に迷う素振りを見せたり、何かを参照するなど不審な点があれば、必ず身分証明書の提示を改めて求めるなどしてください。
これらのポイントを踏まえて、実務上、多くの場合では身分証の提示を受けた上で、用紙に住所、氏名、職業及び年齢を記入し、署名をして貰うという方法がとられています。
非対面取引での確認の方法
本人確認はインターネットやアプリを用いた非対面取引においても行う必要があります。
- 取引相手から印鑑登録証名とその印鑑を押印した書類の送付を受ける。
- 本人限定郵便を送付し、その到達を確かめる。
- eYKC(オンライン上で本人確認を行うソフトウェア)により確認する。
ポイント
①、②の場合でも住所、氏名、職業及び年齢の申しでを受ける必要があります。
③はeKYCと呼ばれる、オンライン上で本人確認を行うソフトウェアを使用して本人確認を行う方法です。(古物営業での本人確認に限らず、様々な場面で活用されています。)
身分証明書と本人の顔写真を撮影し、加工、改変ができないような独自のソフトウェアを使用し送信します。
eKYCは現在様々な企業からサービスが提供されており、それらを契約、導入することとなります。
特に古物を売る側の手軽さから、現在急速に普及している方法です
まとめ
以上が古物商許可における本人確認についての解説です。
古物商許可では犯罪や盗品の市場流出を防ぐため、多くの義務が発生します。
許可を取得し、営業を始める前には必ず、本人確認について正しい知識を身に着け、実際にどのように確認するのか決める必要があります。
細かい点も多いため、分からないことや不安な点があれば、許可を取得する段階から行政書士に依頼することで包括的にサポートして貰うことが可能です。
当事務所でも古物商許可取得の面倒な手続きをお客様に代わって行うサービスを提供しております。
古物商許可取得をお考えの際は、まずはお気軽にご相談ください。
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